はじめに
2021年6月4日、北京市医療保障局から《第1回・第2回・第4回、国家医薬品集中購買および京津冀医薬品連合帯量購買等の選定結果に関する通知》が発表された。
国家VBP対象品に関する内容で、以下5つの内容から構成されている。
第一条、応購尽購(必要な所へ必要な分を)の原則に則ったカバー範囲の明確化
第二条、状態化体系の構築、着実な集中購買業務の実行
第三条、信用評価制度構築の推進、医薬品供給体制の実行
第五条、医療保険激励体系の改善、健全なる監督評価制度の構築
この《通知》で一番興味深い内容は、保険償還に関して記載されている第四条だ。
前回に引続き国家VBPに関する内容となるが、北京市から発表されたこちらの内容を紹介したい。
第四条の内容
第四条だが、【VBP契約期間内の医薬品】と【VBP契約期間終了後の医薬品】の保険償還ルールが定義されている。
本文を和訳した内容を以下に紹介する。直訳すると分かりづらかったため、私の理解で整理した点が多少あることをご了承ください。
【VBP契約期間内の医薬品に関して】
国家集中購買医保販売リスト医薬品について、以下の保険償還ルールを適用する。
1.VBP選定済み+北京市で採用
・国家VBP入札の結果、北京市で採用された医薬品は、そのVBP採用価格を償還基準額とする。償還比率は変わらない。
2.VBP選定済み+北京市以外で採用
・同一一般名のVBP品で、その他省市で採用された医薬品を北京市で販売する場合、国家VBP選定価格で販売する。償還比率は変わらない。
・VBP選定価格を基に販売せず、販売価格が北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも高い場合、個人の負担割合を10%上乗せする。(1級~6級の革命傷害軍人を除く)
・北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも低く販売する場合は、その販売価格を償還基準額とする。償還比率は変わらない。
3.VBP入札に応じなかった医薬品
・同一一般名で、VBP入札の結果選定されなかった企業の医薬品を北京市で販売する場合。その販売価格が北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも高い場合、個人の負担割合を10%上乗せする。(1級~6級の革命傷害軍人を除く)
・北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも低く販売する場合は、その販売価格を償還基準額とする。償還比率は変わらない。
4.GQCE未承認のジェネリック医薬品
・同一一般名で、一致性評価を取得していないジェネリック薬について、原則償還基準額は北京市採用医薬品のVBP選定価格を超えてはならない。
5.国家談判に通った医薬品
・同一一般名で、国家談判契約期間中の医薬品については、国家談判政策に基づく対応とする。その契約期間終了後は、上記1~4の規則を適用する。
【VBP契約期間終了後の医薬品に関して】
契約期間終了後に北京市での販売を継続するVBP医薬品について、北京市医療保険リスト内の医薬品に以下の償還ルールを適用する。
1.VBP選定済み+北京市で採用
・北京市での償還比率は変わらない。
2.VBP選定済み+北京市以外で採用、VBP入札に応じなかった医薬品
・同一一般名の北京市採用以外の医薬品について。その販売価格が北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも高い場合、個人の負担割合を10%上乗せする。(1級~6級の革命傷害軍人を除く)
・北京市採用医薬品のVBP選定価格よりも低く販売する場合は、その販売価格を償還基準額とする。償還比率は変わらない。
3.GQCE未承認のジェネリック医薬品
・同一一般名で、一致性評価を取得していないジェネリック薬について、原則償還基準額は北京市採用医薬品のVBP選定価格を超えてはならない。
さいごに
前述したルールを総括すると、以下のようなことが言える。
・VBP値下げに応じて北京市で採用された医薬品は、その価格が償還基準額となる。
・上記医薬品よりも高い金額で販売する場合は、患者さん個人の自己負担が上乗せされる。
・つまりVBPで選定され且つ北京市で採用された医薬品をベースに、保険償還ルールが設定される。
こうすることによって、北京市医療保障局としては、VBP対象品における医療保険基金の支出管理をしやすくなるというメリットがあると予想される。
他の省市も、これに追随した動きが出てくることだろう。
今回は整理スライドがなく、文章のみとなってしまいました。参考になれば幸いです。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。