我々の歴史
2007年5月27日、ibg上海成立
成立時には、たった4名のメンバーでスタートしました。規模は小さいながら、掲げた志は高いものでした。
~Interbridge=橋をかけることで、「境界」に発生する種々の課題解決を目指す~特定の分野に習熟するのみでなく、多くの異なる分野に対しても洞察があり、問題解決を進めるためのリーダーシップを併せ持つ存在です。活気に溢れた優秀なインターン生を迎えたのもこの年です。当時設計された、ibgの内部研修内容は、現在の新人研修の基礎として今も受け継がれています。
2008年、規模の拡大と新たなビジネスへの挑戦
ibgの掲げる志に賛同するメンバーも増えていき、年末時点で30名ものメンバーを迎えることができました。オフィスが手狭になったため、同年の5月に新しいオフィスへの引っ越しを果たします。メンバーのチャレンジ心に応え、新しいビジネスについての議論と挑戦に挑みました。ECO、IR、Traceabilityなどのビジネスを試みましたが、残念ながら継続には至りませんでした。これ以外には、グローバルTOP500の企業からコンサルティング契約をいただき、2007年に開発した業務支援ツール(iSoul®)も好評をいただいたため、順調な業績を上げることができました。
2009年、危機感の共有と短期戦略策定
前年から始まった金融危機は、コンサルティング業界も多大な打撃を受けました。ibgも例外に漏れず、将来の明るい見通しがつかめず、不安感は強まるばかりでした。このような状況を打開するため、より明確で現実的な戦略をたてることが必要でした。一年前から始めた新しいビジネスへの挑戦を一旦止め、定めた重点領域に対して集中的に資源を投入しました。メンバーと危機感を共有するため、この難関をどのように切り抜けるべきかの議論の場を持ったり、新しい人事制度を立ち上げるなどの施策を行いました。また、このような厳しいビジネス環境下でのプロジェクトを通し、クライアント企業との強力な信頼関係を築くことができたことも、ibgの大きな財産となりました。全員経営というibgの原点は、もしかするとこの年の私達なのかもしれません。
2010年、5年計画の制定と実施
成立三周年を迎え、上海は太陽島にてibg全体会議を開催しました。一年前の短期戦略の中で一時的に見失いかけた観点や希望を、全員でもう一度改めて見つめなおす機会が必要でした。このような向かうべき方向の認識を再度統一する過程において、最も重要な鍵である価値観についての議論は避けて通れません。国籍・立場・経験・性別にとらわれなず率直に意見を交わすことで、相互理解を深めることができました。同年7月さらに新しいオフィスへの引っ越しを果たしました。第三回の引っ越しでは、メンバーの意見に基づき設計や内装を行い、現在の静安寺の住所に落ち着きました。
2011年、iCCP(日本実習生)开始
同年3月11日の東日本大地震は日本に巨大な爪痕を残しました。グローバルサプライチェーンに与えた影響もまた、非常に多きなものでした。日本から離れた中国にいる私たちに何が出来るか、考えた結果がiCCPでした。日本の未来を担う若者に対し、日本以外の場所から新しい気づきを得る機会を提供するプログラムです。この他、自身の将来の目標を明確にした結果ibgから離職するメンバーが出てきたのもこの年でした。私達は離職を「卒業」と捉え、卒業生たちと将来にわたって良い信頼関係を継続していくことを目指すことにしました。
2012年、成立5周年、積極的な会社内部の活性化推進
中国政権が8年以来初めて経済成長の減速を予測した、歴史的な一年となりました。ibgは成立5周年を迎え、「照顾脚下:自分の足元をよく見よ」というスローガンを掲げ、それに即した施策を展開しました。i-Changeという内部活性化プロジェクトの中で、5周年の記念式典も兼ね日本(大阪・京都)で新年会やチームビルディング活動を持ちました。毎月実施している内部交流会(Monthly ibg)の中で、毎日の仕事の中での感謝を伝える「Smileギフト」制度をはじめました。強い組織づくりには、管理層も組織の成長のペースに対応していかなればなりません。この一年では、更に明確なメンバーの成長を目指すための人事制度の創設に力を注ぎました。
2013年、新中期計画の制定とマーケティング活動の開始
5年中期計画の最後の年となり、4年連続での経営目標を達成し、新たな中期計画の制定を行いました。中国大陸の経済成長が鈍化していくなか、メンバー一同で2014年から始まる3年の計画について議論しました。一年前に制定した新人事制度も実施に踏み切りました。メンバー全員が主役となる新人事制度の理解・浸透と制度設計に多くの時間をかけました。その他、私達の重点領域である医療業界においては、5月に医薬品部会での講演や9月に中国医薬品市場業界交流会の開催などの活動が実施されました。
2014年、戦略目標の実現開始
新中期計画の一年目の年であり、戦略目標の一つであり経営体制の改革を推進しました。コンサルティングを主要業務とする我々が、「自己の経営を通して、顧客企業の経営観点の立場に身を置く」というものです。成立時から思いを抱いていたものの、内部にて実行に移せていなかった状況から一歩踏み出しました。コンサルティングのツールと使用していたiSoul®についても機能の強化・改善を行いました。マーケティングとしては、IVD(対外診断機器)研究会において重要講演の機会をいただきました。この年、7名もの新しいメンバーを迎えることができたのも、喜ばしいニュースです。
2015年、若いリーダーの台頭とヘルスケア領域の活動継続、日本ビジネスの強化
プロジェクトにおける貢献だけではなく、会社のコアカルチャーの創生活動など、若いリーダーたちが中心となり活躍する場面が増えてきました。具体的には、自主的に新人教育の責任者となったり、経営層に対してibgのあるべき姿について意見をくれたり、個人の夢と会社の発展をどのように両立すべきかの討論会を自発的に発足させたり、などの行動が見られました。この一年で、経営層からメンバーへ受け継がれた「ibg遺伝子」の芽がようやく開きはじめたのかもしれません。2013年より始めたヘルスケア分野におけるマーケティング活動においては、2015年に各方面からのご支持やご協力をいただき、多くの講演を行いました。更には日本におけるビジネスの機会の模索のため、関連する体制強化を実施した一年でした。
2016年、若い経営層と新しい世界の視野
経営層の新旧交代を実現しました。フレッシュなメンバーがバトンを受け取り、更なる発展を目指し奮闘を継続していきます!国際化戦略はさらに深化し、日本事業に向けての営業体制の強化、企業診断などのコンサルティング業務提供の開始、さらにHP更新を行いました。また、アメリカでバッファローでのプロジェクトでは、短い期間制約のなかでibgコンサルタントは所属組織・国籍・文化や言葉の障壁を超えた協調を実現し、顧客企業の業務とシステムを刷新しました。同時に生産現場の人員に俗人化していたナレッジや技巧を整理し直し、プロセス定義とデータ化を通して、顧客企業の生産活動基盤の盤石化に貢献しました。
2017年、設立10年に考える「ibgで働くことの意義」
ibg上海設立から10年が経ちました。転職が非常に盛んな中国において、ibg上海で10年以上働くメンバーは全体の1/4を占めています。なぜ大規模なコンサルティングファームに転職せず、ibgで働くことを選んだのでしょうか?同じ環境にいるとつい見過ごしてしまうこの問いかけに対し、改めて向き合った一年でした。ibgのメンバー個人の裁量範囲はとても大きく自由度が高い反面、個人が負うべき責任も大きくなります。このような自由と責任が表裏一体となった状態は、熱意を持ち自分の才能を試しみたい人達から見ると、とても魅力のある環境のようです。ibgとは自己の存在意義を追求し続ける志を持つ人たちの集団である、と私は考えています。他人が規定したルールを黙々と守って働くのではなく、自分が主人公となり新しい秩序を作り出していく、新しい世界のためのチームです。2017年、バックグラウンド・国籍・考え方が異なる4名の新人がibgに加わりました。Enjoy the Challenge! 波に流されず、自分が信じる人生の方向に向かって果敢に挑戦していきます!
2018年、独立自尊という生き残りの道
2018年は、世界経済・社会・政治の各方面で今までに経験したことのない変化が生じた年でもありました。このような不確定な事態における企業経営は、さらに複雑性を増しています。そんな環境下、2018年初旬に新たな中期計画を定め、再度航海に乗り出しました。中期の最初の一年としては良いスタートを切り、営業からデリバリーにいたるまでメンバー全員が積極的に活動を行うことで、前年を上回る業績を上げることができました。2019年からずっと、自身を含めたibgの各メンバーには、「稳重心:落ち着いてどっしり構えること」の大切さを訴えてきました。未来を予測するのが困難なこの時代に、自分をしっかりと持ち、むやみに卑屈に構えず、正直に潔よく自己研鑽を続けていくことが、その意味だと考えています。
2019年、変化の激しい時代における生き残りの道
皆さんが20歳の頃、やりたかった仕事は何ですか?当時の私は会計コンサルタントで、勉強した知識・既存の習熟したフレームワークに基づき、顧客のリスク分析に関する質問に回答するという仕事をしていました。知識を蓄積するために、毎日時間を惜しんで勉強していました。しかし、常に将来的にはAIに取って替わられるのではないか、という不安にさいなまれていました。世間ではよく「自分でよく考えてから実行に移しなさい」といわれます。社会や企業が安定した環境を用意してくれるのを待っていたら、そこにいる個人は惰性に流され自分で考える力を失ってしまうのではないでしょうか。2020年を迎えようとするいま、私はibgのメンバーに対して進化し続け、自律を以て自立した存在として、自由を追求しよう、というメッセージを送っています。このようなやり方は企業の内部管理の難易度を上げることになるかもしれませんが、私自身も努力をして自身のリーダーシップを磨いていくことで、他のメンバーとともに進化し続けたいと考えています。