はじめに
2018年12月から始まった4+7帯量購買(国家VBP:VolumeBased Procurement)。
一致性評価を通過したジェネリック薬(GQCE品)が存在する一般名&剤型が、検討対象品目になっている。
今回紹介する省級VBPだが、非GQCE品も検討対象品目となっている。
今回だが、省級VBPの状況を紹介したい。
実施済みの内容
上記は、2020年5月までに各省で行われたVBPの内容を纏めたものだ。
特徴として以下が挙げられる。
・抗生剤・注射剤が多い
・選定基準・契約量・契約期間のルールは、各省で異なる
省級VBPで注射剤が多い理由は以下のとおりだ。
・2016年にCFDAから正式発表された《关于开展仿制药质量和疗效一致性评价的意见》では、当面は内服固形製剤を対象とし、注射剤は将来的に検討されることとなった。
・そのため、これまで一致性評価を通過したジェネリック薬に注射剤はなかった。
・注射剤に関する一致性評価の方針は、2020年5月に国家薬品監督管理局から《关于开展化学药品注射剂仿制药质量和疗效一致性评价工作的公告》が発表されたばかり。
つまり、GQCE品のある品目を対象とする国家VBPではカバーできない・医療費への影響の大きい医薬品を、現在行われている省級VBPで対象にしているということだ。
今後のVBP予定
2020年9月8日に江西省から、《江西省医薬品帯量購買文書》が正式発表された。今後、消化系統の医薬品7品目を対象にVBPが行われる。
また陝西省医療保障局が中心となり、複数の省市が共同でVBPを開催するという話が挙がっている。陝西省が他省に対して、2020年8月28日に出した文書内容の概要は以下のとおり。
【非GQCE品の帯量購買に関する意見書の募集】
「各省連盟の規模効果を発揮しながら、医薬品の値下げを推進するため、一致性評価未通過の医薬品について帯量購買を実施する予定である。参与希望の省は9月4日までに返信文書にて表明すること。」
新疆・甘粛・寧夏・海南・湖南といった省が参加すると言われている。今後は、各省から約30品目の候補が挙げられた後、最終的に15~20品目をVBP交渉対象品目にすると言われている。
上記以外に、2020年8月26日には海南省医療保障局からも《海南省2020年医薬品集中帯量購買実施方案(意見募集書)》が発表されている。
さいごに
2018年12月より4+7帯量購買が始まってから、国家VBP・省級VBPへと展開しているVolumeBased Procurement。2018年1月に入札・薬価に関する権限が医療保障局に一元化されてからというもの、医療費抑制に向けた政策が頻繁に出されている状況だ。
2020年は、本格的な改革が始まった“元年”とも言われている。引続きこの環境変化を本ニュースで発信しながら、我々の対応策(仮説)も検討していきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。