はじめに
海南省の自由貿易港政策について、本ibgHealthcare Newsで以前取り上げた。
・2020年6月27日:海南自由貿易港政策(前編:全体概要)
・2020年6月30日:海南自由貿易港政策(後編:医療特区の楽城先行区)
医療特区である楽城先行区に関して、2020年9月1日に海南省人民政府より《海南自由贸易港博鳌乐城国际医疗旅游先行区制度集成创新改革方案》が発表された。
メディア公式発表からも言える通り、既に複数の製薬企業が楽城先行区との接触や対応に取り組んでいる。上記の発表内容をご存知の方も多いと思うが、今回スライド1枚ものに纏めたので紹介したい。
改革方案の内容
一、特別な薬/機器の自由貿易促進
・中国未上市の特別な医薬品・医療機器に対する、トレーサビリティの仕組みが構築される。
・またこれら医薬品・医療機器は、保税倉庫で集中管理される。
・更に中国の医師・患者に対する、これら医薬品・医療機器のプロモーション・研修の提供が認められる。
要は、まだ中国で上市承認されていないイノベーティブな医薬品・医療機器を、楽城特区へ持ってきて良く、更にそれらの使われ方・物流管理・プロモーション活動などを支援するというものだ。
四、外国籍人材 居留の利便性向上
・海外の優秀人材が中国へ入国・居留しやすい政策が出される。
・また外国籍の医療従事者だけでなく、治療目的で楽城特区へ来る患者さんとその家族に対しても、ビザの面で優遇策が出される。
五、中国唯一の“特別医薬品保険”
・薬価が高く治療を受けられない海外の問題を解決すべく、イノベーティブな保険商品を開発。年齢・職業等に限定しない商業保険支払いプラットフォームを構築する。
六、臨床リアルワールドデータの応用/活用
・リアルワールドデータ使用のパイロット拠点として、医薬品・医療機器の早期承認取得を支援する。
さいごに
上記は、2020年6月16日に海南省政府より発表された《海南博鳌楽城国際医療観光先行区条例》を纏めたものだ。
今回紹介した2020年9月1日発表内容と比べると、方向性は変わっておらず、実行に向けてより一歩推進されたと言える。
医療業界で注目される、海南省の楽城国際医療観光先行区。
今後も動向を注視していきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。