はじめに
省を跨いだ診療医療費精算の複雑さ・立替負担の大きさは、かねてから問題点として挙げられている。入院費用については直接清算が可能となったが、外来診察費の直接精算は未だ全国規模に拡大できていない状況だ。
2020年9月5日の本ibgHealthcare Newsで、「公的医療保険省市跨ぎ精算の取り組み」を紹介した。今回は久しぶりにこの話題を取り上げたい。
現状
2020年の全国两会において全人大代表の方から、省を跨いだ診察費用直接精算を段階的に拡大するよう建議された。これに対して、2021年度末までに全国範囲で省を跨いだ診察費の直接清算を拡大するよう努めていくことが、国家医保局より示されている。
省を跨いだ外来費用の直接精算だが、以前からパイロット試行が行われている。2021年2月1日からは山西省・内モンゴルなどが加わり、現在27の省市で展開されている。
省を跨いだ外来費用直接精算を実施している地区は、国家医療保障局のオフィシャルアカウントから検索可能だ。
2020年5月、国家医療保障データプラットフォーム上の省を跨いだ医療管理システムが正式にオンラインに切り替わり、全国の省を跨いだ入院費用の直接清算については、効率的で安定したサービスを提供できるようになった。
この他、省を跨いだ医療管理サブシステムは、京津冀(北京・天津・河北省)における省を跨いだ診察費用精算をサポートしている。
身分証・医保電子証書といった多くの診察媒体に対応し、またミニプログラムや医保サービスAPP等の報告ルートも多数存在する。
更にデータの共有機能により、システム内の高速データ伝達を可能とした。
今後も、保険加入者の省を跨いだ医療サービスが改善されていくと考えられる。
さいごに
VBP実施やNRDL国家談判といった公的医療費抑制の話題がここ数年のホットな話題となっているが、公的医療費の“利便性向上”についても着々と変化しつつある。
簡単な内容ですが、社内での会話ネタなどになれば幸いです。
以上
この記事は各種公開情報等を基に、ibgが内容を作成したものです。