はじめに
経済発展とともに、国民の健康意識も高まりつつある中国。
サプリメントや漢方薬を始めとする健康関連食品の注目度も上がっており、また各企業が市場獲得へ向けてしのぎを削っている。
上記スライドは、中商情報ネットの「2021年中国保健品業界ランキングTop 30」から引用したものだ。薬局やコンビニなどで、これらブランド製品を見たことある方も多いと思う。
今回はいつもと趣向を変えて、健康食品企業について紹介したい。
健康管理プロモーションを強化する各社
最初に紹介するのが、ブランド指数第1位の湯臣倍健。
慢性疾患の発病率上昇を解決すべく、公益活動の一環として健康診断・栄養カウンセリングを行っている。上記はイベントカーを使って全国各地を訪問する、湯臣倍健が実施するプロモーション活動の1つだ。
続いて、ブランド指数第3位の紐崔莱。
InBody社のスマートウォッチを活用し、体重管理プログラムを提供している。
アップルウォッチやHUAWEIなど他のスマートウォッチでも同様のサービスは提供されているが、健康関連食品メーカーがこれに関わることでデータ収集しようとしているのが見てとれる。
3つ目に紹介するのが、ブランド指数第4位の東阿阿胶。
漢や唐さらには明・清の時代まで皇帝への献上物を送っていた東阿阿胶は、漢方を中心とした製品を扱っている。中国医学を全面に出したプロモーションとして、博物館や療養ホテル、テーマパークなどを展開することで、漢方の効能を広く理解してもらうことに注視していることが特徴だ。
各社のイノベーション動向
中国市場にある主な企業を、「イノベーション指数(縦軸)」×「ブランド指数(横軸)」にまとめたものだ。(灰色が中国ブランド、橙色が外資ブランド)
ブランド指数の高い企業であるほど、新たなプロモーション活動に取り組んでいると考えられる。競争環境が激しくなる中、イノベーティブな活動を模索することで市場を確保するという中国式のやり方をとっているイメージだ。
イノベーション活動の特徴としては以下が挙げられる。
・殆どの企業がEコマースを活用し、オンライン+オフラインでの販売を実施
・公益活動によるブランド力向上を狙う((公益財団、小学校の設立など)
・消費者向け、製品+健康関連サービス(健康指標診断など)
・全産業チェーンの展開(博物館やホテルなど上下流の連携拡大)
さいごに
健康中国2030実現へ向けて、「健康管理・予防」への意識が高まりつつある中国政府と国民。多くのプロモーション投資を続ける各企業とどう競業・協業していくか?
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。