はじめに
インスリン注射剤を対象とした第6回国家VBP。2021年11月30日に落札結果が発表された。
【実施スケジュール】
・2021年9月10日:中央政府から検討対象品目・関連製薬メーカーが発表される。
・2021年11月5日:地方政府/公立医療機関等から提示された購入予定品目・予定量が発表される。
・2021年11月6日:製薬メーカーからの申請開始
・2021年11月26日:入札実施、落札結果発表
今回の実施結果
先ずは今回の結果から説明する。
先程示したスケジュール通り、今回は大きく以下の3ステップに分けられる。
・中央政府からの検討対象品目提示
・地方政府/医療機関からの購入予定品目提示
・製薬メーカーの応札・落札
上記スライドは、ステップ別に製薬メーカーごとの品目数を纏めたものだ。
数字を見ておかしいと感じられるのは、下2行だと思う。
なぜこれらの中国メーカー2社は、最終的な落札品目数が最初の数値より大きいのか?
2021年11月5日に国家組織医薬品連合購買オフィスから発表された文書では、「2021年11月14日までに上市承認をとった品目は応札可能」となっている。要は、これらの企業は入札が行われた11月直前に承認されたため、今回の第6回国家VBPに間に合ったということだ。
今回の実施ルール
順番が逆となるが、今回のルール等を紹介したい。
【スライド上部分】
・前述したとおり、2021年9月10日に中央政府から提示されたのは81品目(製品名)だった。
・参考として言うと、2020年の公立医院におけるインスリン注射薬の納入額は約270億元。その多くは外資3社が占める状態だった。
【スライド下部分】
・2021年11月5日発表の《全国药品集中采购文件(胰岛素专项)》より纏めた実施ルールだ。
・1番目は落札企業の選定。応札価格を基に落札企業が選定される。(上記は7社が選定された例)
・2番目は落札企業の分類作業。落札価格を基に分類A~Cに分けられる。
・3番目は医院からの申請量に対する契約割合(VolumeBased Procurementとなる割合)。落札価格が低い品目は、分類C・Dの申請量の一定割合を奪えるのが特徴だ。
さいごに
各種メディアでは、既に第7回国家VBPの対象品目候補が掲載されている。
5社以上のGQCE通過品のある注射剤(一般名)など、様々な品目候補がリストアップされている。
さいごに、常態化方針について纏めたスライドも共有したい。
下部分に書いた「異なる一般名を1グループとした医薬品集中帯量購買が今後行われるかも知れない」は、起こるとしてもさすがに省VBPや省連盟VBPまでのものと思いたい。
2018年12月に“4+7”として始まった集中帯量購買。まさに常態化してしまった。
私の仮説となるが、「パテントの切れそう/切れた品目は、公的医療費への負担が少ない価格で国民に提供する(オリジナル薬・GQCE薬、どちらでも安ければよい)」という政府の意図に対して、どのように対応していくか?
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。