はじめに
“以病人为中心”という考え方・理念は、2005年に衛生部より打ち出されたものだ。その年は“医院管理年”と定義され、医療機関のサービスレベル向上へ向けた活動が開始された年だ。具体的には、24時間外来サービス・外来予約サービス・医療保険カードによる精算管理などが挙げられる。
“以患者为中心的学术推广(患者中心の学術プロモーション)”。
2013年7月のGSK中国における商業賄賂の件、2016年7月のCCTV中央テレビで報道された医師・MR間の金銭的な不適切な関係の件なども受けて、製薬企業各社でキーワードとして挙がっているものだ。
今回はこちらを取り上げたい。
外部環境変化に伴う患者による決定権の向上
上記スライドは主に慢性疾患薬について言ったもので、命に関わるような医薬品(特薬)のことは指していない旨を、先ずは強調しておく。
ご存じの通り、VBP(VolumeBased Procurement)をはじめとする医療費抑制策や、京東健康・好大夫在線といったオンラインプラットフォームの登場により、医薬品の選択決定権が患者へ移行しつつある状況だ。
「これが良いかどうかの議論」を横に置いた形となり大変恐縮だが、特に慢性疾患薬で低価格のものは、オンライン上で期間限定特別値引きサービス等も行われており、患者さんにとって処方薬が以前よりも手軽に購入できる状況になってきている。
患者Needs抽出後のオンライン&オフラインによる活動
患者ニーズ・患者像を抽出したのち、それの問題解決へ向けて、製薬企業として様々な形でプロモーション活動を展開していく。
患者ニーズと一言で言っても、PatientJourneyの各ステージで異なり、またそれぞれに適した発信内容・媒体を選定していく必要がある。オンライン・オフライン含めてだ。
問題解決の考え方
「じゃあ、オンラインだと、どのプラットフォームを使うのが一番良いのか?」
「オフラインだと、VBPに直面する中、どのチャネルへ攻めるのが一番良いのか?」
こういう質問を受ける際、製品ごとに市場環境は異なるし、そもそも正答自体がないので、回答するのが難しい。
ただ結局のところ、全製品に共通する解答はなく、患者中心の学術プロモーションを検討する際は、以下のような社内での活動・議論が必要になってくる。
・患者ニーズの棚卸、仮説設定
・プロモーションチャネル・デジタル媒体の棚卸
・患者の問題解決へ向けた各種手段の検討 等
総括すると、患者中心の学術プロモーションを検討する際、ProductManagerだけに任せるのではなく、社内の各部署が共に議論する必要がある。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。