はじめに
2020年11月10日、広州公共資源紡績センターから《広州地区における一部の医療保険指定薬局申込み募集に関する通知》が発表された。
簡単言うと、第3回VBP結果の価格での医薬品購入を薬局へ推奨・拡大するというものだ。
【申込み対象】
・事前に購入量を申請している広州地区の医療保険指定薬局54軒
【申込み期間】
・2020年11月10日~2020年11月16日17:00
【申込み方法】
・広州医薬品グループ購買プラットフォームにて基礎情報を入力。同時にインターネット上で関連資料を提出。
第3回VBP結果の振返り
既に本ibgHealthcare Newsで何度も取り上げている内容だが、第3回VBPは以下の結果だった。
・薬価改定:55品目(一般名&剤型)
・平均薬価下落率:53%
・薬価下落受諾企業数:125社
上記で紹介した広州の例は、これら55品目を薬局市場へも展開するというものだ。
VBP薬価影響市場が拡大するか?
上記スライドは、オリジナル薬がVBP後にどのようなチャネルを開拓していくかという考え方をイメージしたものだ。
VBPで影響を受ける公立病院の消化減を抑えながら、薬局やオンライン等の新市場を少ないコストで開拓するという考え方がとられやすかった。
第3回VBPの実施範囲だが、医保指定民間医療機関・医保指定販売薬局の自主的な参加を奨励する旨が、各省市医保局により示されている。国家集中購買が、公立病院だけでなく民間病院や薬局にも関係してきている状況だ。
もちろん薬局市場は医療機関と状況が異なる。
医療機関は薬剤加算(上乗せ)がなく診療報酬を元に直接医療保険を精算できるのに対して、直接医療保険精算に対応できない薬局は、上乗せせずに販売することは難しいと考えられている。そのため結局のところ、患者さんは医療機関での医薬品購入に流れることとなり、薬局として購買量確約→VBP価格で購入することが適切かどうか、何とも言い難い。
2020年6月に広東省医保局は、全ての薬局及び民間医療機関は第3回VBP購買へ自主的に参加することが可能であり、薬局と民間医療機関は広東省医薬品交易プラットフォームに登録し報告を行う旨を発表している。“广东三医药械电子交易管理有限公司”を購買連合体とし、薬局および民間医療機関の報告政策をサポートするということだ。
さいごに
今回の件だが、薬局市場の今後のビジネスモデルにも影響するものだ。VBP対象品だけに限った話だが、薄利多売を目指すのかどうかが迫られている。VBP購買の対象になって医薬品を低価格で購入できたとしても、薬局はそれを売りさばくことができるか?という点も、薬局を悩ませるものと言える。
もちろんVBP購買に参画する薬局は、価格面で優勢になることは間違いない。
製薬メーカーだけでなく、医療機関や薬局市場にも大きな影響を与えているVBP。今後も市場全体の動向を注視していきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。