はじめに
上記は、2020年8月17日に国家医療保障局から発表された、《2020年国家医療保険医薬品リスト調整業務方案》と《2020年国家医療保険医薬品リスト申請ガイドライン》を纏めたものだ。
※詳細は2020年8月19日のibgHealthcare News(2020年NRDL調整条件・申請手順の発表)を参照ください。
2020年11月11日、国家医療保障局より《2020年国家医療保険医薬品リスト調整に関する専門家評価結果の通知》が発表された。
既に内容をご存じの方も多いと思うが、今回はこちらの内容を紹介したい。
専門家による評価結果
2020年8月17日に発表されたスケジュールだと、専門家評価は9月~10月とされていた。今回の発表が11月11日なので多少遅れてはいるが、年内には全てのステップが完了すると言われている。(残りは、「談判&競合入札」と「結果公表」)
今回、専門家評価によって今後「談判&競合入札」が行われる品目として挙がったのは、合計751品目だ。内訳は以下の通り。
【NRDL新規収載を申請した品目:合計728品目】
①コロナウイルス関連の呼吸系治療薬:12品目(西洋薬11、漢方薬1)
②2018年版EDL(基本薬物リスト)に収載された医薬品:11品目(西洋薬8、漢方薬3)
③《臨床緊急ニーズ海外新薬リスト(第一弾)》或いは《臨床緊急ニーズ海外新薬リスト(第二弾)》或いは《鼓励後発品リスト(第一弾)》或いは《鼓励小児用医薬品研究開発リスト(第一弾)》に収載されており、且つ2020年08月17日以前に上市した医薬品:28品目(西洋薬28)
④第2回VBP(2020年1月入札実施)で採用された医薬品:3品目(西洋薬3)
⑤2015年1月1日から2020年08月17日までの期間内に、上市承認された新一般名の医薬品:171品目(西洋薬154、漢方薬17)
⑥2015年1月1日から2020年08月17日までの期間内に、臨床試験結果に基づき適応症等に重大な変化があってそれが承認された医薬品:10品目(西洋薬9、漢方薬1)
⑦2019年12月31日以前に、5省または5省以上のPRDLに収載されており、且つ《国家合理用薬重点監視リスト(第一弾)》に収載されていない医薬品:493品目(西洋薬338、漢方薬155)
【NRDL収載済みで調整対象となる医薬品:合計23品目】
①契約期間内で、且つ償還基準を再調整すべき談判医薬品:15品目(西洋薬15)
②契約期間内で、且つ適応症等に重大な変化があったとされる談判医薬品:8品目(西洋薬7、漢方薬1)
《2020年国家医療保険医薬品リスト調整に関する評価結果医薬品リスト(751品目)》の具体的な内容については、各種メディアでも取り上げられているのでそちらを参照いただきたい。
ポイント抽出(NRDL新規収載)
⑤2015年1月1日から2020年08月17日までの期間内に、上市承認された新一般名の医薬品:171品目(西洋薬154、漢方薬17)
オリジナル薬メーカーとして最も関心が高いのは、上記⑤の談判結果だろう。
今回申請済みのメーカーだけでなく、今後新薬を中国で上市するメーカーにとっても、今回の談判結果は今後の価格戦略を検討する上で、1つの大きな参考となってくる。
2017年から始まったNRDL国家談判の際もそうだったが、2020年NRDL新ルールでは海外価格を参照する旨が《基本医療保険償還医薬品管理暫定弁法(2020年7月31日、医療保障局発表)》に明記されている。
上記⑤に含まれる西洋薬154品目に対して、「実際にどの程度海外薬価が影響するのか?」は、引続き注視したい点だ。
ポイント抽出(NRDL収載済みで調整対象)
今回の専門家評価を通じて、今後競合入札の対象となったのは23品目。
多いのか少ないのか何とも言いづらいが、2021年以降も医療保険財源を見ながら検討されると考えられる。
さいごに
2020年4月28日にパブリックコメントが出され、3か月後の2020年7月31日にはその正式版が発表された《基本医療保険償還医薬品管理暫定弁法》。上記の通り、2020年から実際のNRDL更新作業が行われている。
2020年の調整作業が完了して12月末に結果が公表された頃、本件に関する総括と今後の考察を作成したいと思います。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。