はじめに
2020年8月に行われた第3回全国医薬品集中購買、いわゆる第3回VBP(VolumeBased Procurement)。
値下げ受諾して選定された品目に対する“帯量購買”だが、既に各省からルールが発表され、2020年11月から実施される予定だ。
一方、値下げせずに未選定となった品目に対する、各省での入札ルールが発表されつつある。今回は、いくつかの省を取り上げて紹介したい。
広東省の発表
2020年10月19日、広東省で《第三次国家医薬品集中購買未選定医薬品の価格連動に関する通知》が発表された。
内容は以下の通りだ。
【VBP選定品目と一般名・剤型・規格が同じである未選定品目(210品目)】
・規則に基づき、広東省・広州市・深圳市の3つの医薬品交易プラットフォームにおける最低購買価格をその品目の購買価格とし、広東省内の全域で価格連動させる。
・該当品目を持つ企業が上記のやり方に同意できない場合、或いは期限内に対応しない場合は、当該品目の広東省にあるプラットフォームから資格が剝奪される。
【VBP選定品目と一般名・剤型が同じで、規格が異なる未選定品目(45品目)】
・当該品目を持つ企業の自主判断に任せる。
・上記の価格連動方式に同意する場合は、各社から値下げ申請を提出する。
・各社からの値下げ申請が行われない場合は、省プラットフォームでの元々の価格で取引される。
江蘇省の発表
2020年10月19日、江蘇省で《第三次国家医薬品集中購買未選定品目の価格届出に関する通知》が発表された。
内容は以下の通りだ。
・第3回VBP検討対象となった品目のうち、未選定の品目を持つ生産企業(251社)は、規定の期間内に該当品目の届出価格を申請する必要がある。
・同時に、該当品目の全国省市における最低価格も届け出なければならない。
遼寧省の発表
2020年10月13日、遼寧省で《2020年遼寧省第三次国家医薬品集中購買未選定品目の段階的な値下げ実施に関する通知》が発表された。
その中で、今後の値下げ方式が示されている。
【オリジナル薬、一致性評価通過済みのジェネリック薬(計190品目)】
・上海で既に段階的な値下げが行われている未選定品目については、上海よりも低い範囲内で、企業による自主的な値下げ申請を行う。
・上海でまだ値下げが行われていない未選定品目については、現行のオンライン購買価格から段階的な値下げを行う。ただしVBP選定品目の薬価を下回らないこと。VBP選定品との薬価差が比較的大きいものについては、下げ幅も大きくする必要がある。
【他のジェネリック薬(472品目)】
・選定品目の薬価を下回る場合は、オンライン購買を継続することが可能。該当企業は規定の期間内に、選定品目の薬価より低いものを自主申請すること。
北京市の発表
2020年10月10日、北京市で《2020年北京市第三次国家医薬品集中購買の未選定医薬品価格に関する通知》が発表された。
・第3回VBP対象医薬品について、未選定品目のうち価格が適正なものを、選定品目の補足とすることができる。
・北京市医薬品陽光購買規則および購買プラットフォーム機能に基づき、上海聯購オフィスによる第3回VBPに対する段階的な値下げ交渉結果と合わせた上で、北京市陽光購買データベースでの談判参考価格を設定する。
【未選定のオリジナル薬、一致性評価通過済みのジェネリック薬】
・上海での談判価格を元に薬価差を換算した価格と、現行の全国最低価格を比較。そのうち低いものを、北京市の談判参考価格とする。
【未選定の一致性評価未通過のジェネリック薬】
・VBP選定品目の北京市における薬価を元に薬価差を換算した価格と、現行の全国最低価格を比較。そのうち低いものを、北京市の談判参考価格とする。
さいごに
今回は、広東省・江蘇省・遼寧省・北京市における発表内容を紹介した。
国家VBPの実施内容・ルールだけでなく、その後の対応は、VBP選定品も未選定品も考えなければならない。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。