中国データ関連3法とは?
ここ最近日本の方からも聞かれる中国の以下3法について、本日は紹介したい。
・サイバーセキュリティ法
・データ安全法
・個人情報保護法
先ずは、2017年6月1日に施行された《サイバーセキュリティ法》。
後述する《データ安全法》と重複する点もあるが、要は「オンライン・ネットワーク上の安全性を強化するために制定された法規」と言える。
以前は存在しなかった「オンライン・ネットワーク」という移動手段に対して、中国国内外での勝手な移動に制限をかけるために設定された法規と言える。
「顧客データを保存しているサーバーを中国国内に設置しなければならないのでは?」と、数年前に話題になったのが、このサイバーセキュリティ法だ。(第37条)
続いて、2021年9月1日に施行された《データ安全法》。
先程紹介した《サイバーセキュリティ法》は“管理強化”を目的とした内容が多かったのに対して、こちら《データ安全法》は“管理強化”に加えて“活用促進/激励”に関する内容も含まれている。
ヘルスケア分野においても、データを活用したサービスは次々と我々の生活にとって当たり前のものになりつつある。
(例)
・ウェアラブルデバイスによる健康管理
・遺伝子検査サービス
・大量のCT画像分析・ディープラーニングによるがんの早期発見
中国政府としても、ブレーキとアクセルのバランスを考慮した制度の具体化を模索していると考えられる。ちなみにデータ安全法だが、地域・業界毎の重要データ定義や審査体制が今後明確化される予定だ。
3つ目は、2021年11月1日に施行される《個人情報保護法》。
本文「第二章 個人情報処理ルール」で、“一般”・“敏感個人情報”・“国家機密処理個人情報”の3つに分類されているのが特徴的だ。分類毎にルール・具体的な対応も異なるということだ。
また本文「第三章 個人情報国外提供ルール」について。上記スライドに第38条の内容をいくつか載せたが、是非本文も参照いただきたいと思う。
製薬業界へ与える影響
本ibgHealthcare News向けに、製薬業界へ与える影響を簡易的にまとめた。
スライド上は1対1の関係で記載しているが、これらデータ関連3法は全て、上記で書いているようなトピックへ影響のあるものと言える。
中国のICH加盟・MAH代理人制度など、外資系製薬メーカは、様々な分野でグローバルとの連携が必要な状況となっている。
中国国内でのデータ管理・情報管理を進めようとするこれらデータ関連3法によって、今後どのような影響が生じるか?
これら3法はヘルスケア業界に特化したものではなく、ビジネスへの直接的な影響はまだ考察段階である。これら考察が参考になると幸いです。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。