はじめに
過去に行われたVBP(VolumeBased Procurement)だが、購買契約期間の終了が迫り、各地で更新ルールが発表されている。
今回は、2019年9月に入札が行われた第1回拡大版の更新ルールを紹介したい。
第1回拡大版 各省の更新ルール
湖北省・広東省・黒龍江省などでルールが発表されている。
【湖北省】
・入選企業が2社以下で購買期間が原則1年間の11品目を対象に更新作業を行う。
・省内の医療機関から届け出られた過去1年間の購買量をベースに、約定購買量を設定する。
・前回入選した企業が2社以下で、この1年間に新たなGQCE品が出ていない場合、前回の入選価格のまま、追加契約を行う。(契約期間は原則1年間)
・前回入選した企業が2社以下で、この1年間に新たなGQCE品が出ている場合、入選済み企業+新たな企業との間で入札を実施する。この場合、1年前の入選価格(低い方)を今回の最高入札額とし、その条件を満たす企業を今回のVBP入選企業とする。(契約期間は原則2年間)
つまり湖北省の場合、以下と言える。
・新たなGQCE品なし:前回の入選企業が金額変更なしで追加契約(契約1年間)
・新たなGQCE品あり:入札実施。金額の低い企業と契約(契約2年間)
【広東省】
・公立医療機関以外にも、自主性を原則に、医療保険指定民間医療機関や販売薬局の参加を奨励する。
【黒龍江省】
・追加契約の契約購買量は、前回の約定購買量を上回るという原則の下、医療機関と入選企業との間で協議した後決定される。追加契約の開始日は2020年12月19日とする。
さいごに
4+7・VBPが始まった頃は、「今回は値下げに応じないが、契約期間終了後(1~3年後)の更新時に再チャレンジを検討する企業もある」といった話がメディアに挙がっていた。
VBPが実際に施行されてから1年以上経つが、上記の更新ルールを見る限り、一旦値下げ交渉に応じなかったら数年後の再チャレンジというのは非常に難しいように感じる。
こちらのスライドは、将来の中国医療体制を予想したものだ。
公的医療保険がカバーする“基本医療市場”は青枠となり、そこを中心に国民に対する最低限の医療サービスが提供されると考えられる。
VBPなどの医療費抑制策は、この基本医療市場の構築へ向けたプロセスの一環と考えられる。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。