はじめに
上記スライドは、JD(京東健康)とAli(阿里健康)の販売データを元に2017年以降の推移をまとめたものだ。健康機器にはマスク・コンタクトレンズ等も含まれる。
2020年以降、処方薬の売上がOTC薬を超えているのは興味深い。2020年上半期は新型コロナウイルスの影響で、医療機関への通院が難しくなった点が原因として挙げられる。
2021年も処方薬の売上が伸びている要因としては、Onlineでの処方薬購買が少しずつ浸透していると考えられる。
今回は、成長を見せるOnline市場を紹介したい。
中国Online(処方薬)
前述したとおり、2020年以降のOnline市場における処方薬販売の伸びは大きい。
どのような処方薬が売れているのか、2021年データを使って領域別に整理したのが上記スライドの右部分だ。
最も売れているのは心血管疾患に関する医薬品だ。経済発展・生活レベルの向上に伴い、いわゆる3高(高血圧症・高脂質血症・高血糖症)の患者は数十年前から中国でも増え続けている。慢性疾患薬などはOnlineで購入しやすい医薬品の代表例だ。
第3位にある肝臓疾患治療薬は、私自身もJDで定期的に購入している。2回目以降は処方箋も不要で、クリック3回で注文・支払・発送依頼が完了する。
中国Online(OTC薬)
次にOTC薬を見ていこう。
上記スライド右部分の2021年データから分かる通り、胃腸・皮膚に関する一般用医薬品がOnlineでよく売れている。実際にJDアプリなどを見ていただければ分かるが、胃腸用薬カテゴリーにはダイエット関連OTC薬も陳列されており、販売数量も多い。
中国Online(健康機器)
2020年から大幅に売上が伸びた要因の1つとしては、新型コロナウイルスによるマスク販売量の急増が挙げられる。実際、2021年の売上ランキング第1位はマスクである。
ちなみに第7位にある「貼」とは鎮痛消炎剤等を指す。
さいごに
上記は、処方薬+OTC薬のチャネル別売上構成比をまとめたスライドだ。
今回紹介したOnline市場とは、上記スライドの「Online薬局」を指す。
特に医療用医薬品から見るとまだ市場全体に対するインパクトは大きくないかも知れないが、慢性疾患といった領域の医薬品についてはOnlineの活用を引続き考えていきたい。
Onlineプラットフォームも様々なものがあり、契約内容も多種多様だ。
Online経由での売上を社員評価・CSO評価へどう扱うかなど、活用する際に考えることも多い。
「ヘルスケア+デジタルの発展・活用」という中国政府の方針は変わらないだろうが、引続きOnline市場の発展を注視していきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。