はじめに
2022年4月20日のibg Healthcare Newsでは、処方薬・OTC薬・健康機器の中国Online市場における2017年以降の売上状況を紹介した。
今回は、処方薬で2021年売上トップの心血管疾患治療薬を取り上げたい。
なおこれ以降は、Aliプラットフォーム(阿里健康等)の2021年販売データのみを使ったものであることを注記しておく。
心血管疾患治療薬のOnline販売状況
西洋薬の売上構成を上記スライドの右側にまとめてみた。
3高(高血圧症・高血糖症・高脂質血症)の患者さんは数十年前から中国でも増え続けており、2020年初のコロナ発生以降は、オンラインでの購入が習慣化されつつある。
こちらは、Onlineでの心血管治療薬の売上ランキングをメーカー別に並べたものだ。
国家VBP対象となった医薬品も多く、Onlineチャネルを重視する外資系メーカーも多い。
上記スライドは、オンライン売上上位の心血管治療薬を対象にまとめたものだ。
・円の大きさ:オンラインでの売上規模
・横軸:病院での売上規模
・縦軸:オンライン売上÷病院売上
例えば左上に位置する中美華東のオルリスタットは、他製品と比べてオンラインでの売上貢献度が高い製品と言える。
一方、右下に位置するバイエルのリバーロキサバンは、オンラインでの売上(円の大きさ)が大きいが、それ以上に病院市場での売上が大きい製品である。つまりリバーロキサバンの場合、元々病院での処方による患者さんが多く、一部の患者さんがオンライン経由で購入している状態と言える。
また左下に位置するAZ・Sanofi・Novartisの製品などは、オンライン市場への投資を注力している製品と考えられる。
「国家VBP対象か否か?」、「チャネル別の売上比率はどうなっているか?(病院・薬局・オンライン等)」といった視点で各製品を見ていくのも面白い。
さいごに
IQVIAのレポートにもあったが、国家VBP(第1回~第3回)対象となった医薬品のオンライン市場における売上成長率は160%を超えている。(2020年→2021年)
(第1回:+164%、第2回:+186%、第3回:+187%)
もちろんオンライン市場は良いことばかりではなく、AliやJDといったプラットフォーマーに対するコミッションといったコストも発生する。プラットフォーマーの数も多い。また市場自体の成長率はここ数年大きいが、チャネル全体に占める割合はまだ数%の状況だ。
オンライン市場は流行りではあるが、全体視点で目的を明確にした上で取り組んでいただきたいと思う。
以上
この記事は各種ibg購入データ・経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。