はじめに
2021年12月1日より、《医薬代表登録管理弁法(試行)》が施行された。
・MAHによる医薬代表備案プラットフォーム(国家薬品監督管理局主管)への登録管理(第5条)
・MAHによる自社ホームページ或いは関連協会ホームページ上での医薬代表情報の公示(第8条)
・医療機関合意を得た後に、医療従事者へ学術プロモーション活動等を行うこと(第12条)
上記のような医薬代表の情報管理・行動管理に関する要求が定義されている。
少し前のことだが2021年6月25日に、三級甲等医院である四川省人民医院がSanofi社MRの行動に対して通報したという記事がメディアで報道された。
こちらについて、少し紹介したい。
通報内容
四川省人民医院による通報内容の一部を以下に纏めた。
・Sanofi社のMRが当医院の作業服を着て入院病棟に進入。警備員に制止された。
・この行動は医薬代表関連規定に違反するものであり、当MRをブラックリストへ収載すると共に、今後2年間は当医院区域への立ち入りを禁止する。
・同時にSanofi社に対して社員への教育管理の徹底を建議する。
記事によると、Sanofi社はこの事件を重く受け止め、社内ルールに基づき該当MRに厳格な処置を施したようだ。
その他の状況
2020年7月にも、Sanofi社のMRが白衣を着て医療機関でのプロモーション活動を行い処罰されている。この時は、医薬品の購買が停止され、また未払い分の支払い期限延期や停止が行われた。
また2021年4月に、77社の製薬企業へ税務/財務調査が入った際、処罰を受けた企業の中で最大金額だったのもSanofi社だった。
さいごに
今回はあくまで1つの例として、中国メディアで報道されているSanofi社の件を紹介した。
こういうことを書くと、コンプライアンス管理と消化Upは相反することのように思われやすいが、そうではない。 「コンプライアンス管理+学術プロモーション⇒消化Up」という考えはここ数年間で広く浸透されたし、また「患者視点」という言葉は、様々なセミナーの場で度々耳にする。
透明性を高めるために、中国医療業界の規範化は着実に進んでいる。旧態依然の考えでプロモーション活動を行っている方も、今回紹介したような記事が公になることで、少しずつ減っていくことと願いたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。