2020年12月22日、上海市衛生健康委員会より《上海市医師違反行為点数化管理弁法》が発表された。本弁法の施行日は2021年2月15日で、5年後の2026年2月14日まで実施されると発表されている。
気になる弁法名だったので、本内容を調べてみた。今回はこの内容を紹介したい。
《上海市医師違反行為点数化管理弁法》の概要
本弁法の概要を以下に纏めた。
【目的】
・医師の業務・行為を規範化
・医師の法律に基づく就業意識の向上
・医療サービスの品質と安全を保障
【対象者】
《医師就業証書》・《中医医師就業証書》・《香港マカオ医師短期就業証書》・《台湾医師短期就業証書》が衛生健康行政部門から発行され、且つ上海市で医師・助理医師を行っている方々
【内容】
・医師の不良行為を点数化管理する。2年間を一周期とし、その期間内における累積点数に基づいた対応・処罰が行われる。
・証拠隠蔽が行われたり、社会に影響を与えるような不良行為が行われた場合は、違反行為点数に2倍をかけて算出する。
【主な違反行為・点数】
・規定に違反し、製薬企業やその代理人からの接待を受ける:6点
・立場を利用し、利益の強要や不当な利益享受を受ける:18点
・患者やその代理人の同意なく、書面による告知なしで自費医薬品を処方する:6点
・医学倫理規範を遵守せず、或いは倫理審査承認を経ずに、医薬品/医療機器の臨床試験や医学研究を行う:18点
・麻酔薬や第一類精神薬の処方権限を持たない者が、麻酔薬や第一類精神薬の処方を行う:2点
・抗菌薬使用原則に違反、或いは合理的でない抗菌薬使用を行う:2点
・抗菌薬の処方権限を持たない者が、抗菌薬の処方を行う:4点
・審査期間内に合理的でない処方を5回以上行う:18点
【違反行為管理プロセス】
・医師の違反行為を見つけた衛生健康行政部門は、《行政処罰事前告知書》と《医師違法行為点数事前告知書》を対象者へ送付する。
・告知書の内容へ異議を申し立てたい医師は、告知書を受領してから3営業日以内に陳述説明を提出する。
・陳述説明を受けた衛生健康行政部門は、その後3営業日以内に処理結果を該当医師へ告知する。
【累計点数に対する措置】
(審査期間内の累計点数が6点以上の場合)
・医師の勤務する医療機関が、該当医師との面談を実施する。
・法律試験が課せられる。一般プログラムに加えて、衛生関連の法律放棄試験が課せられる。
(審査期間内の累計点数が10点以上の場合)
1~3か月間、医療衛生機関および医師協会による訓練・教育を受ける。その間は就業できない。
・累計点数が10点以上14点未満:1か月の離職訓練
・累計点数が14点以上18点未満:2か月の離職訓練
・累計点数が18点以上:3か月の離職訓練
さいごに
上記で【主な違反行為・点数】を紹介したが、これらはあくまで一部で、本弁法には68項目が列挙されている。気になる方は、弁法の内容をご確認いただきたい。
ちなみに本弁法の第16条に、以下が記載されている。
・“上海市医師管理プラットフォーム”を通じて、上海市の医療機関は登録医師の違反行為点数状況を確認できる。また、採用予定の医師の違反行為記録を申請・取得できる。
・上海市で登録する医師もまた、“上海市医師管理プラットフォーム”を通じて、個人の違反行為点数状況を確認できる。
本弁法は、2021年2月15日から施行される。
今後の状況を継続的にウォッチしていきたい。
以上
この記事は各種公開情報等を基に、ibgが内容を作成したものです。