2022年11月8日、国家衛生健康委員会の法規司より《中国健康高齢者の基準》と《住居・社区における医療介護員のサービス基準》が発表された。これらの基準が2023年3月1日から施行されるようだ。
簡単に内容を紹介しよう。
《中国健康高齢者の基準》
- 医療衛生施設や養老サービス施設などが60歳以上の高齢者の健康状態をみるための評価基準を明確にするために作られたもの
- 100点満点で評価される(身体面:0~50点、精神面:0~30点、社会参加:0~20点)
- 身体面での評価項目には、「栄養状態」・「睡眠状況」・「視力」・「聴力」・「飲食状況」・「日常生活能力」・「疾病状況(血圧、血糖など)」が含まれている
- 精神面での評価項目には、「認知症の程度」・「焦慮やうつ」・「生活満足度」・「運動状況」
- 「禁煙状況」などが含まれている
- 社会参加の評価項目には、「社会的な活動への参加頻度」・「自身の社会的価値」などが含まれている
《住居・社区における医療介護員のサービス基準》
- 医療介護員のサービス内容やそれに対する要求、評価方法などを示したもの
- 医療介護員とは補助介護サービスなどを提供する人を指す(医療機関での専門技術人材を含めない)
- 彼らのサービス内容として、「生活サポート(清掃・飲食・排泄・睡眠・移動)」、「安全サポート(安全保護、現場での初期救急)」、「リハビリサポート(日常活動の訓練等)」、「心理的サポート(コミュニケーション)」、「臨終サポート(症状観察・身体支援)」などが定義されており、各項目に対する具体的なサービス内容が示されている
- 医療介護員の評価は、サービス提供機関に属する品質管理者や、サービス対象者orその家族が行う
今回これが発表された際、中国における要介護認定やその判断基準が発表されたと私は勘違いしてしまった。要するに、介護サービスを受ける側と提供する側の基準が発表されたと思ってしまった訳だ。
上記は、2022年8月25日に北京市民政局から発表された《北京市高齢者能力評価実施弁法(試行)》である。
私が先述した介護認定や判断基準などは、北京市の場合これに定義されている。ちなみに北京市の場合、申請→評価後に決められる介護等級は0~8級に分けられている。(0級:能力よい、1~2級:軽度の失能、3~5級:中度の失能、6~8級:重度の失能)
上記は、長期介護保険制度のパイロット都市である北京市石景山区と深セン市の状況をまとめたものだ。(最新状況だとパイロット都市は全国で49都市、約1.45億人をカバーしている)
北京市の介護認定判定結果だが、上記の石景山区におけるパイロットにも反映されると考えられる。
今回は、国家衛生健康委員会から発表された《中国健康高齢者の基準》と《住居・社区における医療介護員のサービス基準》と、北京市の《北京市高齢者能力評価実施弁法(試行)》を取り上げた。
中央政府・地方政府それぞれから、介護に関する政策・基準が発表されており、今後もパイロット試行による結果を受けた形で、様々な政策が打ち出されると予想される。
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この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。