はじめに
2021年12月28日、10の政府関連部署(※)より《"十四五"医療機器産業発展計画》の通知が発表された。
(※)工業和信息化部、国家衛生健康委員会、国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、国務院国有資産監督管理委員会、国家市場監督管理総局、国家医療保障局、国家中医薬管理局、国家薬品監督管理局
実は今回の発表と類似した内容である《医療機器産業発展計画(2021-2025年)》が、2021年初に工業和信息化部装備工業一司から発表されていた。
・2021年2月9日:パブコメ発表
・2021年3月19日:専門家による確認完了の発表
今回2021年12月に発表された内容は、2021年2-3月の内容を少し具体化したものだ。
また工業和信息化部だけでなく、10の関連部署から共同発表されていることも前回との違いとして挙げられる。
「国産化」という文言がこれら文章に使われている訳ではないが、中国国内でのサプライチェーンの強化などを目指した今回の5か年計画について紹介したい。
2021年12月28日発表 《"十四五"医療機器産業発展計画》
上記は、2021年12月28日に発表された《"十四五"医療機器産業発展計画》をスライド1枚ものにまとめたものだ。詳細は、工信部ホームページにある本文を参照いただきたい。
ポイントとして以下が挙げられる。
・中国国内における安全かつ確実なサプライチェーンの確保
・世界トップレベルの創出(2025年までに6~8社を世界トップ50へ)
・独自技術を持つ小巨人企業の創出も支援
・様々な産業と連携したイノベーションモデルの構築
今回発表された5か年計画を基に、今後各省市で具体化政策が作成・更新されると考えられる。
2021年12月2日発表 上海市の5か年計画
先程紹介した《"十四五"医療機器産業発展計画》が発表される以前に、上海市ではこちらの先端設備産業に関する5か年計画が発表されている。
【対象の先端設備産業】
(一)スマート製造設備(ロボット、物流/倉庫等)
(二)民間の航空/衛星設備
(三)民間の船舶/海洋開発設備
(四)先端エネルギー開発設備(風力、太陽光等)
(五)環境保全設備
(六)先端医療設備
(七)ナノ電子/粒子設備
(八)その他の先端設備
上記は、(六)先端医療設備を中心にまとめたスライドだ。
上海市だが、2021年3月に専門家が確認した《医療機器産業発展計画(2021-2025年)》を基に、こちらの5か年計画を2021年12月2日に発表した。
今回12月28日に中央政府からより詳細な内容が発表されたことにより、上海市における重点対応項目などの調整作業が今後行われると考えられる。
さいごに
さいごに、先日改訂版が発表された《科学技術進歩法》について紹介する。
《科学技術進歩法》とは、全産業の科学技術発展を促進するために1993年7月に制定された法律だ。その後、2007年12月に第一次改訂版が発表され、今回14年ぶりに第二次改訂版が発表された。
上記スライドの右側に書いた【先端設備に関する主な内容】だが、あくまで全産業に対するものであり、また今回の改定前にも記載されている内容であることを強調したい。
ただ、「国産化」と関係ある内容と思い、参考程度に紹介した。
第91条の場合、政府組織=公的医療機関ととらえれば、容易に色々なことが想像できるだろう。
前述した医療機器産業5か年計画も含めて、今後の公的医療機関における実運用に注視していきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。