2022年10月28日、《抗微生物薬の薬剤耐性抑制に向けた国家行動計画(2022~2025年)》の通知が発表された。
以前の国家行動計画(2016~2020年)を実行しながら成果を出してきたが、地域間・医療機関の間でまだコントロールレベルに差が生じている状況。引続き対応していこう!という目的で、今回2022~2025年の計画が策定・発表された。
これは以下13の部署による共同策定・発表である。
【13の部署】
国家衛生健康委員会、教育部、科学技術部、工業/情報化部、財政部、生態環境部、農業農村部、国家広電総局、国家医療保障局、国家中医薬管理局、国家疾病コントロール局、国家薬品監督管理局、中央軍委後勤保障部衛生局
今回発表された国家行動計画(2022~2025年)のメインである「主要指標」と「主要任務」を、スライド1枚にまとめてみた。
以下のようなキーワードが挙げられる。
・院内感染発生率の減少
・薬剤耐性や抗微生物薬の適正使用に対する国民の理解度を向上
・耐性状況を管理測定、評価する仕組みの改善
・新たな医薬品・測定機器の上市を促進
・中国の実情に合った体系の初歩構築(感受性試験・ブレイクポイント)
上記スライドの下側にある「8つの主要任務」だが、国家行動計画(2022~2025年)の本文では詳細に記載されている。一部紹介しよう。
【1.予防を主とした感染率の低下】
・院内における感染予防・コントロール体制の強化(専門人材の配置、感染予防設備の設置、院内勤務者への教育・行動管理など)
・水や環境などの衛生管理の強化(社会的な衛生習慣・文化の形成、公共衛生設備の改善、食品の安全管理など)
・抗微生物薬の環境に対する影響を管理(廃棄処分時の規範処理など)
・感染ワクチン接種業務の強化
「1.予防を主とした感染率の低下」の詳細を一部紹介したが、それぞれの任務に対する担当部署が明確にされている。
2022年9月にCHINET(中国細菌薬剤耐性監測ネット)が発表した《2022年上半期 薬剤耐性監測結果レポート》にもある通り、一部の細菌に対する薬剤耐性率は年々上昇している。
国家として引続き対応すべく出されたプランが、今回紹介した薬剤耐性に関する国家行動計画(2022~2025年)である。
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この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。