2023年2月9日、以下6つの中央政府部門より《緊密型都市医療グループの構築 パイロット展開の通知》が発表された。
(国家衛生健康委員会、国家発展改革委員会、財政部、人力資源社会保障部、国家中医薬局、国家疾病コントロール局)
「分級診療体制の構築」・「医療連合体の構築」・「公立医院の品質向上」という、数年前から施策を出しているがなかなか進まないこれらを推進・実現させるために、今回この《通知》が発表された。
ちなみにこの《通知》を発表した国家衛生健康委員会の医政医管局とは、公立医院の監督管理・業績評価や医療業務の規範管理等を担当する部署である。
上記は、今回の《通知》を1枚にまとめたスライドだ。
特に「重点任務」箇所は一部しかスライドに記載していないので、興味のある方は国家衛生健康委員会のホームページにある原文をご覧いただきたい。
私なりに理解した内容を以下に列挙したい。
- 分級診療が進まない原因として、三級医院などが患者数を減らしたくない(=売上を減らしたくない)ということが挙げられる。政府としては、DRG・DIPによる診療報酬算出方法の見直し等を行っているが、それ以外の施策も展開したい。
- 新たな施策として、今回“緊密型都市医療グループ”という考え方を導入。パイロット都市において、地域毎に医療グループを構築する。医療グループのリーダーには、その地域の三級総合医院を設置する。
- また当医療グループ内で、採用・報酬・評価といった人材面の管理を一元化させることで、グループ内ならば、三級・二級・社区などのどこで勤務しても、医療従事者達は同等の報酬・評価を受ける仕組みとする。
- 更に、この“緊密型都市医療グループ”が推進されているかどうかを、中央政府が今後各省に対して評価することとする。
分級診療を実現したい中央政府による強制的な施策のようにも見えるが、その辺は今後のパイロット状況を見ながら、随時調整していくという考えなのだと予想される。
既に分級診療を実現している地域もあるが、まだ政府の掲げるような状態にはなっていな
い。患者さんの流れを大きく変えるかも知れない本取り組み、引き続きウォッチしていきたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。