2022年11月3日、国家薬品監督管理局(NMPA)より《医薬品オンライン販売禁止リスト(パブリックコメント)》が発表された。
本パブコメに対する意見提出期限は、2022年11月10日となっている。
医薬品のオンライン販売に対して、取り締まりを強化する政策がここ数か月発表されている。今回発表されたパブコメを含む3つの政策を整理したので紹介しよう。
1つ目の《医薬品管理法実施条例(改定草案 意見募集稿)》と、2つ目の《医薬品オンライン販売監督管理弁法》については、以前のibg Healthcare Newsでも取り上げたので、詳細説明は省略させていただく。
上記スライドを見ていただければ分かる通り、3つの政策には関連性があることが分かる。
1つ目の《実施条例》では第83条・84条にてオンライン販売を取り締まる旨が発表され、2つ目の《監督管理弁法》にてそれが法規化され、2022年12月1日より施行される旨が発表された。
今回発表された上記スライド3つ目の《禁止リスト》は、【その他のオンライン販売禁止医薬品】に対する意見を求めたパブリックコメントという位置づけだ。
【その他のオンライン販売禁止薬】
・注射剤(血糖降下剤を除く)
・麻黄類を含む調合製剤(麻黄が含まれる中成薬を除く)
・興奮剤リスト内の蛋白同化製剤・ペプチドホルモン(インスリン除く)
・用薬リスクの高い品種(43品目)
43品目の中には、以下のような医薬品(一般名)が含まれている。
【以下、43品目から一部抜粋】
・ジゴキシン(心不全治療薬。投与量が多すぎるとジギタリス中毒になりやすい)
・プロパフェノン(抗不整脈薬。心臓の拍動が早くなる頻脈性不整脈の治療に使われる。興
奮の伝達を抑えることで不整脈を治療し、心臓の鼓動を正常な状態にする薬)
・ワルファリン(抗凝固薬。ビタミンKを阻害することにより、様々な凝固因子を抑制することで血液を固まりにくくする薬。出血リスクがあるため、定期的な血液検査などが必要)
・ミフェプリストン(経口中絶薬)
・ファロペノム(ペネム系抗生物質。黄色ブドウ球菌・肺炎球菌・腸球菌などのグラム陽性菌に対して優れた抗菌力を有するが、様々な細菌に対して広く有効であるため、むやみに使用すると耐性菌のリスクが高まる)
以上、医薬品オンライン販売の取り締まり強化に関する「変遷」と、今回発表された《販売禁止リスト》について紹介した。
《医薬品オンライン販売監督管理弁法》の2022年12月1日からの施行に向けて、ルール整備されつつある医薬品オンライン市場。安心・安全に利用されることを願いたい。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。