2022年11月7日、国家衛生健康委員会・国家中医局・国家疾病コントロール局より《“十四五”全民健康情報化プラン》が発表された。
第14次5か年計画の期間(2021~2025年)が始まって既に2年近くたつ。「今頃になってまだ十四五が発表されるのか?」と思われる方もいることだろう。今回発表されたプランには防疫対応に関する内容も含まれており、最近の状況や、第20回党大会でのゼロコロナ政策継続といった方針が反映されたため、この時期の発表になったと考えられる。
今回発表されたプランは以下で構成されている。
【第1章:現状・これまでの成果】
① 制度規範の概要を設計
② 情報連携に関するプラットフォームの基礎構築に着手
③ 疫病に対する応急対応能力の向上
④ サービルレベルの向上
⑤ オンライン上でのデータ安全管理能力の向上
【第2章:全体思想】
① 新時代中国の特色社会主義思想
② 基本原則
③ 2025年までの目標
【第3章:目標実現に向けた主要任務】
① 情報化基礎掌握体系の集約的な構築
② 全民健康情報化標準体系の健全化
③ “オンライン+健康医療”サービス体系の深化
④ 健康医療ビッグデータリソース体系の改善
⑤ デジタルとヘルスケアが融合するイノベーション発展の推進
⑥ 基層医療における情報化保障体系の開拓
⑦ 衛生健康情報の統計調査分析体系の強化
⑧ オンラン上でのデータ安全保障体系の強化
【第4章:優先アクション】
【第5章:組織による実行】
「第2章 ③2025年までの目標」をメインに、スライドを1枚を作成した。
ポイントとして、以下のような点が挙げられる。
【医療機関における情報連携(互联互通)の継続的な推進】
・2016年10月に発表された《健康中国2030》の第24章において「国民健康情報プラットフォームの構築」は掲げられていた。また2017年からは衛生健康委員会による「医療機関への情報化対応状況の成熟度測定」が行われたりと、医療機関に対する電子カルテ化をはじめとした情報化対応は、数年前から開始されていた。
・各医療機関での情報化だけではなく、三級医院を対象に「国民の医療情報を全国的に統一管理・情報連携していこう」という目標が今回掲げられている。
【国民1人1人の電子健康記録・電子健康コード管理】
・今回のプランでは、住民一人一人が「動体管理の電子健康記録」と「機能が完備した電子健康コード」を持つ状態にするという目標が掲げられている。
・ご存じの通り、既にPCR検査情報やワクチン接種情報などは電子化されて国に管理されている。
・医療機関との情報連携が進む中、今後どのレベルの情報が電子化管理されていくのか? 中国ヘルスケア市場を見ていく上で、今後も注視していかなければならないテーマである。
今回紹介した《“十四五”全民健康情報化プラン》だが、《健康中国2030(2016年10月発表)》や《“十四五”国民健康計画(2022年5月発表)》などを実現するための手段という位置づけと考えられる。
参考として、2022年6月10日に本ibg Healthcare Newsで取り上げたスライドを添付する。
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。