はじめに
本ibg Healthcare Newsで以前紹介したとおり、2021年9月29日に国務院から《“十四五”全民医療保障計画の通知》が発表された。
上記スライドは、その中から医薬品に関する内容を一部抽出したものだ。
青字箇所は、2018年12月から行われているVBP(Volume Based Procurement)に関する内容だ。この5か年計画では、2020年までにVBP対象となった品目112種を、2025年までに500種以上へ引き上げることが明記されている。(500種以上とは、国家VBP+省級VBPを合わせた品目数である)
これに関して、2022年における目標値が2022年1月10日に行われた国務院常務会議の場で発表された。
今回はこちらの内容を紹介したい。
2022年 VBP目標値の発表
今回の発表だが、医薬品のVBPだけでなく、第十四次5か年計画でも明記されていた高額医療消耗器具のVBPについても提示されている。
会議での内容を簡単にまとめた。
・ここ数年実施した医薬品及び高額医療消耗器具に対するVBPによって、累計2,600億元の医療保険基金+患者の支出を抑えられた。
・集中帯量購買の常態化・制度化を引続き進めることで、より一層患者負担を軽減していく。
1.
慢性疾患・常見病を重点対象とし、引続き国家VBPを推進する。また国家VBP以外の品目については省VBP・省連盟VBPを引続き推進する。2022年末までに、国家VBP+省級VBPの対象医薬品を合計350種以上にする。
2.
高額医療消耗器具のVBPカバー範囲を広げる。民衆の関心が高い、骨科消耗器具・Drug-coated Balloon・デンタルインプラント等をそれぞれ国家・省レベルで展開する。
3.
VBP選定品目の長期的な安定供給を保証すべく、監督管理を強化し、また品質が低下しないことを確保する。医療機関はVBP選定品目を優先使用すること。
4.
VBPによって余った医療保険基金の活用。報酬制度改革を推進し、医療従事者の収入を合理的に引き上げ、積極性を高める。
【参考】医薬品 国家VBP 契約期間終了後の更新ルール
上記のNewsだけだと物足りないので、少し話は変わるが「国家VBP 契約期間終了後の更新ルール」の最新動向も共有したい。
2021年11月3日、医療保障局から《国家組織医薬品集中帯量購買契約期間満了後の継続業務に関する通知》が発表された。
VBP契約期間終了後の更新ルールはこれまで各省がそれぞれ発表していたが、中央からの「方針」がここで伝えられた。
【各省に対する更新ルールの原則】
・“契約購買量を取り決めずに値下げ要求すること”を禁止する。
・継続契約期間は1年以上とすること。
・前回の落札価格が全国最低価格の1.5倍以内の場合、その省の前回落札価格を基準として、継続入札を行うこと。
・前回の落札価格が全国最低価格の1.5倍以上の場合、今回は1.5倍を下回る価格となるよう、継続入札を行うこと。
・契約量の多い省は、同一の一般名内で複数企業が落札されることを奨励する。
上記太字は価格設定に関する内容だが、要するに更新時は値下げしなければならないということだ。
以前湖北省で発表されたルールは、「契約期間内に新たなGQCE品(一致性評価品)が出ていなければ、前回と同額で追加契約を行う。新たなGQCE品が出ていれば、前回選定済み企業+新たな企業の間で入札を行う」といったルールだったので、今回医療保障局から発表された【原則】の方が厳しいものとなっている。
さいごに
今回は以下の2つを紹介しました。
・2022年1月10日発表「2022年VBP対象目標品目数」
・2021年11月3日発表「医薬品 国家VBP 契約期間終了後の更新ルール」
以上
この記事は各種公開情報・ibg経験等を基に、ibgが内容を作成したものです。